仮想通貨で資金調達をするICOの詳細と投資する際の注意点を解説

早急な資金調達を可能とした方法として昨今注目され、Mozillaの元CEOがわずか30秒で3,500万ドルを調達したことなど、市場の話題が尽きない状況の「ICO 新規仮想通貨公開(イニシャル・コイン・オファリング)」。

売買手数料はなし、小額投資から可能で、大きな売却益がを可能とした大きなメリットがあるかわりに、現在では関係法律の未整備などの課題も抱えてはいますが、今回はICOとは何か、その仕組みを基礎から紐解いていきます。

1.ICOとは?

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)、仮想通貨技術を利用した資金調達方法とは、資金調達を考える企業・事業の内容などが、トークン(デジタル権利証)を発行・販売し、資金調達を実行する方法やその流れを指します。

株と同様に投資家に購入をしてもらうことで成り立ちますが、ICOには基本的に株式のように議決権、配当金などの対価となる支払いは発生しません。

別にトークンセールと呼ばれ、今までの新株発行を利用したIPO(新規株式公開)とは全く別の、今注目を集める資金調達法となっています。

2.ICOの目的や種類

ICOを行う具体的な目的として、その目的は大きく分けると3つに分けることができます。

1.資金調達目的

2.通貨として普及し価値を生み出す目的

3.金銭的な流れの仕組みを構築する目的

ICOを実行する中で不可欠となるのがトークンとなりますが、ICOを実行する企業、サービス別に色々な性質のトークンがいくつも存在しています。

現時点で発行されているICOトークンの中でも代表的なトークンをいくつか次に詳しくご紹介します。

【仮想通貨型】
仮想通貨型は、ビットコインなどの代表的な仮想通貨と同じく、決済や、送金手段としての利用を前提として発行されるトークンを指します。

送金の速さ、高い匿名性の確保に対して優れたものが多く、決済や、送金の際に便利に扱えるトークンであることが特徴です。

【会員権型】
会員権型は、トークンを保有することにより発行者から優待などを受けることができるトークンを指します。トークンの発行者だけではなく、提携している事業者などが提供するサービスに対しての、割引・会員特典の優待を受けることができるのが特徴です。

【プリペイド型】
プリペイド型は、発行者が提供している商品の購入・サービスの利用などの、対価として使うことができるのが特徴です。購入したトークンをプリペイドカードと同じように利用することができることからこのように呼ばれます。

【ファンド持分型】
ファンド持分型とは、トークン保有数に応じた利益を受け取ることができるトークンを指します。発行企業などが行うプロジェクト・サービスによる利益に応じ、収益が支払われるといった仕組みが特徴です。

【アプリケーション・プラットフォーム型】
アプリケーション・プラットフォーム型は、ネットワーク上に存在するアプリケーションプラットフォームなどを利用する場合、必要になるトークンを指します。

ビットコインに継ぐ値をつけるイーサリアムも、アプリケーション・プラットフォーム型トークンとなっており、トークン自体がプラットフォームの使用料を支払うのに必要な通貨としての役割を持っているのが特徴となっています。

イーサリアムは本来ブロックチェーンを利用するアプリケーション・プラットフォームのことを指していますので、仮想通貨の役割を成しているのは「イーサ」が名称なので、混同することのないよう気をつけることが必要です。

3.ICOと従来の資金調達の仕組み(IPO)の違い

ICOとIPOを比べた場合に大きく異なっているのは「販売をするもの」だといえます。ICOで販売するものは仮想通貨のコインですが、IPOでは株式となります。

知っての通り株式では企業が株券を発行し、それを投資家へ販売するということで資金の調達を実行します。株式を購入した投資家は、株式の保有数に応じ企業から色々な優待を受け取ったり、議決権を使い株主として企業経営に意見をし関わることができるといった見返りがあるのが特徴です。

もちろん、投資先の企業の業績が好調であれば株式価値も上がり、売却によって利益を得るといったことも可能です。その反面、ICOで販売されるトークンの場合には、それを自体を保有することにより受けられるメリットはほとんどありません。

ICOでは実施をしている組織などが推進しているプロジェクトに対しての将来性を考え、コインの価値の上昇を期待し投資を行うといったものになります。

販売されるコインのプロジェクトにより、コインの持つ機能は変わりますので、全てにおいてがこの限りではありませんが、IPOに比べICOの取引の方が投機性が高いといえるのが特徴でもあります。

また、不特定多数の出資者から資金を調達するという方法において共通してはいますが、IPOでは証券会社が取り仕切り売るのに対して、ICOでは証券会社のように主体となる会社なども特に存在しないというのが実情となっています。

IPOの販売は原則的に抽選による販売を行いますが、ICOの場合では誰でも購入することが可能です。ICOの販売に対する基準などはIPOに比べてると非常に緩いともいえます。そのために多種多様なトークンが乱立しているのも事実で、その中にはトークンで資金を集めるだけを目的とした詐欺行為なども発生しています。

IPOに関しては証券会社が金融庁の取り決めに従い運用しているので、通常であればICOのような詐欺行為が発生することはありません。

4.ICOとクラウドファンディングの違い

ICOも資金調達を行なうといった目的で利用されることから、クラウドファンディングと似たようなところもありますが、クラウドファンディングとは異なった点もいくつかあります。

基本的に投資家から事業者へ出資する場合には、クラウドファンディングでは現金で出資がされますが、ICOでの投資方法は仮想通貨となります。

また、クラウドファンディングでは、事業者がプロジェクトに出資した投資家に向けて、商品・特典・サービスなどの優待を提供しますが、ICOでは投資家に対してトークン・仮想通貨などを提供するといった仕組みを取っています。

5.ICOで投資する側のメリット

ここではICOへ投資をする投資家が受けるメリットをいくつかに分けてご紹介していきます。

【サービス・商品・特典が得られる】
これがICOでのトークンの本質となります。投資と考えるというよりも先に、自分がそのトークンを利用したいかどうかが購入基準の鍵となります。

【優遇を受けられる】
サービス・価値がゆくゆく交換できるというだけのものでは、サービス開始後に買ってもよい訳ですから、早急な資金調達は困難になります。サービス開始前に売りに出すという背景には、開始前に買うだけの優位性が用意されている事が大前提となります。

【小額から投資が可能】
10万円、100万円といった金額ではなくても100円、1000円と少額から投資することも出来るため、多様な投資目的に対応できることも特徴です。

【利益の回収の機会が増える】
取引所に上場されると、その価値は容易に他者へ売買も可能となります。
また、他の通貨とも交換が可能になりますので、トークンの価格の上昇によってキャピタルゲイン(売買差益)を得る事も可能となります。

6.ICOで投資する側のデメリット

ICOにはメリットが多いのも特徴ですが、その反面デメリットも存在します。次は、ICOに内在するデメリットを、いくつか詳しくご紹介していきます。

【事業の撤退などの可能性】
ホワイトペーパー(プロジェクト内容・トークンの概要資料)通りに事業が進行するという保証がないのもデメリットとなります。事業自体が頓挫してしまう可能性もあるということです。

【換金手段が限定的】
仮想通貨交換所へ対しての取扱いが認められないことには、他者に売買するのはとても難しくなります。通常ICOの場合には、上場の確定しているといったものはお世辞にも多いとは言えません。

【普及しなければ価格上昇は見込めない】
取引所での取り扱いがされていても、トークン自体が普及しないことには価格の上昇はありません。例として、特典が受けられる時間・施設などが限られているようなトークンの場合、用途などにもよりますが普及が困難な場合も考えられます。

7.ホワイトペーパー

ホワイトペーパーの定義は、特定の技術・商品の利点を理解するために発行するものとされています。ホワイトペーパーというのは直訳での表記となりますが、日本語行きでは「白書」となります。「白書」とは元は英国で議会に提出するような公式文書のことを指していました。

表紙に使われた白い表紙からホワイトペーパーと呼ばれていたことが由来とされています。そこから政府が作成する報告書は総称して白書と呼ばれるようになりました。ビットコインをはじめ、その他の仮想通貨もそれにならい、事業計画書を発表する際には、ホワイトペーパーを発行するといわれるようになったのです。

ICOのホワイトペーパーには下記の事項が記載されています。

・コイン、トークンを発行した意義

・コイン、トークンに付与された価値

・販売方法の定め

以上の内容から、投資家は投資をするかどうかの判断をすることになります。

8.注意点

ICOではIPOとは違い誰でも購入が可能なだけに、真贋を見極めるような深い知識や、語学力も必要となってきます。

ICOを実施する企業などの中には「政府公認」・「保証」などの言葉を巧みに使い、資金を集めるだけで、取引所への上場もせずに消滅してしますようなものも数多く存在します。

詐欺かそうでないかの判断が非常に難しい取引形態のため、ICOの内情などに精通していないような場合には投資を考えない方が無難だといえます。正しい知識を身につけ、悪質な投資話に乗らないようにすることが必要です。

悪質な詐欺のような取引には、金融庁などからも注意がされているほどです。ICOには多くの魅力も含んでいますが、リターン相応にそれだけのリスクも内在している事を忘れてはなりません。

9.ICOに参加するための5ステップ

1. 情報集め
ICOの情報の多くは発行者などが運営するwebサイトのほかにも、仮想通貨メディア、個人ブログなどでもマーケティングが行われています。

2. ICOトークン受け取りの際に必要となる仮想通貨を用意
ICOの多くは仮想通貨であるイーサリアムを利用して、トークンを購入できるようになっているのが特徴です。ICOによっては他の仮想通貨や、ビットコインでも取引できるICOも中には存在します。ICOに該当した仮想通貨での送金をすれば、受け取りは完了します。

3.専用ウォレットの準備
ウォレットは保有する仮想通貨などを管理する現実世界の財布のような働きをします。ビットコインの他、既に保有するコインをウォレットに移すことで、すみやかにICOに参加する事が可能となります。購入するトークン専用のウォレットを準備することも有効です。

4. プレセール期間中、送金専用アドレスに入金
用意したウォレットで、指定された送金専用アドレスに用意した通貨を送金しますが、間違いによる取り消し処理が不可能なため、送金先の間違いが起こらないように、アドレス間違いの確認は慎重に行うようにして下さい。

5.トークン受け取り
指定のアドレスに送金が完了すると、一定期間の内にトークン配布の連絡と共に、トークンが配布が実行されます。

10.まとめ

キャピタルゲイン(売買差益)を得られるか否かは、トークンの持つ「希少性」・「サービス・商品の質」などにも大きく影響されます。発行者側から「価格が上がる」という発表がされた場合には注意が必要です。価格は発行者側ではなく、消費者によって決まるものという前提があるからです。

ブロックチェーンで最近注目されているスマートコントラクト(取引の自動化)ですが、トークンはこのスマートコントラクトを利用したサービスです。

イーサリアムは様々なトークンを生み、普及させる事による価値を上げたように、トークンはそのプロダクト(サービス・商品)の良し悪しが普及するか否かの大きな要因となります。

自身でICOへの投資を考えているのなら、発行されているホワイトペーパーを隅々まで読み込んだあとに、そのプロダクトに対して支援したいと思うような内容のICOを購入するよう心掛けて下さい。

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