立ち飲み屋に必要な開業資金と成功させるコツまとめ

女性同士でも利用する人が増えている立ち飲み屋ですが、店舗も大きくする必要がなく、従業員も大勢雇う必要がないということで、個人で経営を始める人が増えています。

立ち飲み屋を開業するのに必要な資金はいくらくらいか、立ち飲み屋にふさわしい物件選びのポイント、経営を成功させるためのコツなどを紹介します。

1. 立ち飲み屋に必要な開業資金はいくら必要?その内訳は?

立ち飲み屋開業に必要な資金の平均相場ですが、グルメサイト「ぐるなび」が飲食店に行ったアンケート結果を基にすると、居抜き物件の場合650万円、スケルトン(内外装工事が何も行われていない物件)では1150万円という開業資金の平均相場が出てきます。
これは座席数20席未満の飲食店からの回答なので、座席の全くない立ち飲み屋となると、わずかながらこの金額を下回るかもしれません。
参考サイトはこちら

個人でも開業できる立ち飲み屋ですが、その開業資金を7つの分野に細かく分類して紹介します。

1-1. 立ち飲み屋の開業資金

1.物件取得費用(不動産屋への仲介手数料・最初の家賃も含む)
2.内装・外装・設備工事費用
3.什器・備品・機材・消耗品費用
4.食品・ドリンク類の仕入れ費用
5.広告費
6.求人募集費用
7.初期運転資金
立ち飲み屋を開業するには、こうした7つの分野での資金が必要になります。

1-2. 初期費用の内訳

先ほど紹介した初期費用の7つの分野をさらに詳しく説明します。

1-2-1.物件取得費用(不動産屋への仲介手数料・最初の家賃も含む)

店舗物件の賃借料です。不動産仲介業者に支払う仲介手数料や、敷金、最初の月の家賃もこれに入ってきます。
保証金あるいは敷金・礼金の平均相場は、家賃の6~12か月分です。家賃25万円の物件を借りる場合に、10か月分の家賃を保証金として支払うという契約ならば、保証金は250万円となります。250万円に仲介手数料、最初の月の家賃25万円が加算されます。

1-2-2.内装・外装・設備工事費用

立ち飲み屋の雰囲気や店のコンセプトに調和した外装・内装工事をするための費用です。

設計費、外装工事費、内装工事費・電気・ガス・上下水道工事費・冷暖房設備設置工事費、看板設置費、電話・インターネット工事費などです。

室内が壁と柱の骨組みだけの状態で貸し出される「スケルトン物件」の場合、地域により格差もありますが、改装工事費は1坪当たり50万円前後が目安です。
カウンターや厨房設備がそのまま残っている居抜き物件が見つかれば、工事費をコストカットできます。

1-2-3.什器・備品・機材・消耗品費用

テーブル、食器、厨房機器、冷蔵庫、レジ等の購入に必要な費用です。
業務用のテーブルは、家庭用のものと比較すると強度が求められるので、高額になります。中古の什器や備品などを使えばコストカットできます。
さらに、最近の立ち飲み屋ではビールケースやドラム缶などを上手に利用しテーブル代わりにしている店舗もあります。こうした工夫で経費削減も可能です。
厨房機器に関しても看板メニュ―や主軸となるメニューをあらかじめ決めておくならば、それに応じた厨房機器、冷蔵庫を選ぶことができます。生ビールやハイボールなどのドリンクにこだわるのであれば、ドラフトタワーなどの購入も必要になります。

1-2-4.食品・ドリンク類の仕入れ費用

立ち飲み屋ですから酒類・ドリンク類の仕入れはカギとなります。複数の酒屋から相見積もりを出してもらいましょう。
さらに、酒屋によっては、ジョッキやタンブラー、とっくり、サーバーなどを提供してくれるところがあります。また、商品の協賛もしてくれるところがあります。
立ち飲み屋なのでメーカーの名前やロゴが入ったグラスやジョッキをそのまま使っても店の雰囲気にマッチするのであれば、こうした方法でもコストカット可能です。

1-2-5.広告費

店の宣伝に必要なホームページ、フライヤー、名刺制作の費用です。

1-2-6.求人募集費用

もし人を雇うのであれば求人募集をかけるための費用が必要です。

1-2-7.初期運転資金

毎月の家賃、光熱費、食材・酒類の仕入れ費用、宣伝費、従業員がいればその給料など開業後にかかる毎月の経費を用意しておきます。
一般的には毎月の経費の3ヶ月から6カ月分は初期運転資金として準備しておくなら安心と言われています。

1-3. ランニングコストの内訳

立ち飲み屋開業後の毎月のランニングコストの内訳は以下の通りになります。

1.家賃
2.人件費(従業員を雇うならば)
3.電気・水道・ガス・通信費
4.食材・酒類・ドリンク・仕入れ費用
5.消耗品費用
6.ビアサーバー、製氷機などのレンタル費用
7.宣伝広告費
8.雑費(上記のどれにも該当しない費用)

これらの合計金額が立ち飲み屋のランニングコストになります。この数字よりも売り上げが上回れば黒字経営になります。ランニングコストを上回るような売上計画を立てましょう。

2. 立ち飲み屋の開業資金を調達する方法

基本的には自己資金で開業資金を調達できればベストです。
しかし金融機関や国庫からの借り入れ、親族からの借り入れなどで足りない分をカバーすることもできます。
民間の金融機関は個人の新規開業に対して融資してくれるというのは難しい場合がありますが、日本政策金融公庫といった政府系の金融機関なら新規開業資金(新企業育成貸付)といった融資を通じて、新規事業者をサポートしてくれるという制度があります。

開業資金を調達する場合は、自己資金で50%の開業資金を調達するのが最善と言われています。
また開業資金は年商の50%程度がいいと言われています。例えば、年商1500万円(月商125万円)の立ち飲み店ならば、開業資金は750万円です。利益率を売上高の10%と仮定すると150万円の年間の利益になります。
開業資金750万円すべてを金融機関から借り入れたとしても年間150万円の利益があれば5年で返済できます。短期間で初期投資を回収できれば、後は安心して経営を続けられます。

3. 立ち飲み屋の物件選びのポイントと契約時の注意点

立ち飲み屋の物件選びでポイントとなるのは、店のコンセプト、どんな客層をターゲットするのか決めておくことです。
例えばワインに特化した店、外国のパブやバルのようなスタイル、大衆居酒屋的なアットホームなスタイルでは立地や物件の条件が異なるからです。

路面店が人が集まりやすいと言われていますが、最近ではSNSやグルメサイトで店の情報が拡散し、それが集客につながるというのが流れがあります。駅からちょっと遠い一等地ではない物件でも、インスタ映えするメニューや内装、こだわりのメニューやドリンクなどで集客し、SNSで情報を拡散してもらいし、その人たちがリピーターになってもらうだけでなく、新しいお客さんも呼び込んでもらうという方法もあります。

店をオープンしようと思う曜日、時間帯にそのあたりを散策し、道行く人の世代、人の流れなどを観察するのも大切です。そこに物件選びや店の経営に役立つヒントがあるかもしれません。

契約時には、保証金を支払う必要があります。先ほど紹介したように、保証金、敷金の相場は家賃の半年分から10か月分です。開店資金の中でも高額な分野ですが、きちんと用意しておきましょう。気に入った物件に出会っても、保証金や家賃が払えないと契約できなくなるからです。

4. 立ち飲み屋のような飲食店ビジネスの問題点と成功のコツ

立ち飲み屋は開業資金が他の飲食店よりも安く済むということ、さらにたくさんの従業員を雇う必要がないということで、始めやすい事業です。

ゆえに、ライバルも多く存在します。これが問題点です。
この問題点を解決するには、差別化を図るしかありません。
例えば、立ち飲み店ではありませんが、同じスタンドスタイルの「いきなりステーキ」はステーキの立ち食いという分野に特化し、他との差別化に成功し、業績を伸ばしています。

成功している他の事例では、看板メニューとこだわりのアルコールを提供している立ち飲みの店があります。
仙台牛の炭火焼きとこだわりのワインが楽しめる店、揚げたてのてんぷらと日本酒、焼酎、果実酒などが楽しめる店、オーナーの出身地の肉や野菜を使った料理とクラフトビールが楽しめる店などです。

どんな客層をターゲットにするか、どんな雰囲気の店にするか、どんな風に他の立ち飲み屋と差別化を図るのか明確になっていれば、ライバルの多いこの業界でも生き残っていけるでしょう。

5. 立ち飲み屋経営の成功事例と年収

実際成功している立ち飲み屋の事例を基にその月収、年収を紹介します。
立ち飲み屋として成功しフランチャイズ展開している「ドラム缶」ですが、広さ10坪の店舗を経営するオーナー店長の月収は50万円、広さ7坪の店舗を経営するオーナー店長が40万円と紹介されています。年収にすると600万円、480万円となります。
参考サイトはこちら

6. 失敗しない立ち飲み屋の開業・経営方法

立ち飲み屋のオーナーになるには大きく分けて2つの方法があります。人とはすでに立ち飲みのビジネススタイルを確立させているフランチャイズグループの傘下に入るという方法、もうひとつは個人で経営するという方法です。

6-1. 立ち飲み屋のフランチャイズ経営

先ほど紹介した立ち飲み居酒屋「ドラム缶」を運営するドラムカンパニーなどのフランチャイズの傘下に入り立ち飲み居酒屋のオーナーになるという方法があります。
そのメリットは、本部での研修を受けれたり、仕入れ面でのサポートを受けれたり、名前の知れている有名店なので集客しやすいなどが挙げられます。

6-2. 立ち飲み屋の個人経営

個人で立ち飲み店のオーナ―になるという選択肢もあります。物件選びから、店舗のデザイン、仕入れ先の選択、社員研修など自分で行わなければなりませんが、メリットとしては自分の好きな店舗にできる、フランチャイズ加盟料を支払う必要がないといった点があります。

7. 立ち飲み屋を開業するために必要な資格や許可

立ち飲み屋を開業するために必要な資格を表にまとめてみました。

資格・申請 届け出場所 備考
食品営業許可申請 保健所 開業10日〜2週間前までに保健所に届出

場合によっては、保健所の現場検証あり

食品衛生責任者 講習受講後、管轄の自治体に届出 要請講習は都道府県などの自治体や保健所等が主催しており、ほぼ毎月開催されている
防火管理者選任届 消防署 店舗収容客が30人以上を超える物件ならば、消防署への届け出が必要

もし深夜営業の立ち飲み屋なら以下の許可申請も必要です。

深夜酒類提供飲食店営業開始届 警察署生活安全課 午前0時以降も酒類を提供し続ける前提の営業ならば必須の届出

営業開始10日前までに提出

違反した場合は、風俗営業法違反で摘発を受け、営業も停止になる場合もあり

8. 立ち飲み屋に必要な開業資金と成功のコツまとめ

立ち飲み屋を開業するために必要な開業資金の内訳を紹介しました。
立ち飲み屋は、他の飲食業と比べると資金が安く抑えられ、従業員をたくさん雇う必要もないということでビジネスとして始められやすい分野ですが、その分ライバルも多いという問題点があります。

しかしそこは他店との差別化を図ることで、競争に打ち勝つことができます。
「せんべろ」なる言葉も一般化していますから、この流れに乗って立ち飲み屋のオーナーとして起業し成功を掴めるかもしれません。

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